日常会話に組み込んでみたい四字熟語 思いつくままに列挙する。

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 基本的には会話に四字熟語などほとんど使わない。相手が知らない可能性も考えるとむやみに使えば会話が成立しないし、「何知性派ぶってんの?」と不快感を与えるかもしれない。だから無理に入れろとは言わない。しかし、くだけた会話の中にさりげなく入っていると、ちょっとしたスパイスになることも確かだ。普段ギャル語を使っているような層が、「きのうのアイツありえなくね?マジ遺憾千万って感じ~」などと会話していたら、思わず耳をそばだててしまうのではないだろうか。今回は会話に入れてみたい四字熟語を選んでみた。

 

 

彼の円転滑脱な交渉スキルはそう簡単にマネできるもんじゃないよ。

円転滑脱(えんてんかつだつ) 言葉や行動が自在で角立たず、物事をすらすら処理していくさま。物事をそつなくこなすさま。「円転」は丸く回る意。角立てずに滞りなく進むこと。「滑脱」はすべりぬける意。転じて、なめらかで自在に変化するさま。

 

 

まあまあ気にするな・・。君のミスなど九牛一毛に過ぎんよ。

九牛一毛(きゅうぎゅういちもう) 多くの中の、きわめてわずかな部分のたとえ。また、きわめて些細ささいで取るに足りないことのたとえ。多くの牛に生えたたくさんの毛の中の一本の意から。「九牛」は多くの牛。「九」は数が多いことをいう。略して「九牛毛」ともいう。

 


渋谷は今日も肩摩轂撃だろ?俺苦手なんだよなあ・・・やっぱ遠慮しとくわ。

肩摩轂撃(けんまこくげき) 人や車馬の往来が激しく、混雑しているさま。都会の雑踏の形容。人の肩と肩が触れ合い、車のこしきとこしきがぶつかり合うほど混雑している意から。「肩摩」は肩と肩が触れ合うこと。「轂」は車のこしき。車輪の中央部で車軸を通して回転するところ。「轂撃」は轂と轂がぶつかり合うこと。「轂撃肩摩こくげきけんま」ともいう。

 

 

全くあの掲示板ひどすぎだろ・・罵詈讒謗の雨あられすぎ。

罵詈讒謗(ばりざんぼう) 悪口の限りを言い、手ひどくののしること。また、その言葉。罵詈雑言はわりと使うと思うが、一捻りしてこちらを使おう。

 

 

君さあ・・少しは是非曲直をわきまえたらどうなん?

是非曲直(ぜひきょくちょく) 物事の善悪・正不正のこと。正しいこと(是)と、正しくないこと(非)、曲がっていること(曲)と、まっすぐなこと(直)の四つを詰めて一語としたもの。

 

 

まあね・・全ては飛花落葉だからね・・・。
飛花落葉(ひからくよう) 絶えず移り変わるこの世の、無常なことのたとえ。春に咲く花も風に吹かれて散り、青葉もやがて枯れ落ちる意から。諸行無常の言い換えとして使える。

 

 

そんなに鯨飲馬食してると体壊すぞ

鯨飲馬食(げいいんばしょく) むやみにたくさん飲み食いすること。また、一度にたくさんのものを飲み食いすること。鯨のようにたくさんの酒や水を飲み、馬のように多く食べる意から。(実際には、ヒゲクジラは餌を食べるのは年に3ヶ月程度で超のつく少食、馬のほうは、必要以上に餌を与えると死につながるそうだ)

 


あれだけ人気あったのになあ・・・まさに孤城落日とはまさに彼のことだな。

孤城落日(こじょうらくじつ) 勢いが衰えて助けもなく心細いさま。孤立して援軍のない城が、沈もうとする夕日に照らされている光景。「孤城」は孤立して援軍の来ない城のこと。「落日」は西に沈む夕日。

 


あいつのは巧言令色だってのがバレバレだからな~

巧言令色(こうげんれいしょく) 口先だけでうまいことを言ったり、うわべだけ愛想よくとりつくろったりすること。人に媚こびへつらうさま。「巧言」は相手が気に入るように巧みに飾られた言葉。「令色」は愛想よくとりつくろった顔色。「令」はよい意。

 

 

お互い夏炉冬扇と言われないように気をつけないとね。 

時期はずれの無駄なもののたとえ。また、無用なもの、役に立たない言論や才能などのたとえ。夏の囲炉裏いろりと冬の扇うちわの意から。君主の信望・寵愛ちょうあいを失った者や、寵愛を失った宮女、恋人にすてられた女性のたとえとして用いられることもある。「冬扇夏炉とうせんかろ」ともいう。

 

 

あの寝てるだけで腹筋鍛えられるって機械な・・狐疑逡巡して、結局買わなかったよ

狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん) きつねが疑い深いように、なかなか決心がつかず、ぐずぐずしていること。優柔不断なさま。「逡巡」は後ずさりする、ためらいぐずぐずすること。「巡」は「循」とも書く。

 

 


ようするにアンタは私に洒掃薪水を押し付けたいだけでしょ!

洒掃薪水(さいそうしんすい) 家事全般のこと。水掃除、掃き掃除、薪拾い、炊事をすること。洒はさんずいに西でそそぐ、洗うの意。酒ではない。

 

 

 

PCの解説書って全くもって不得要領なんで、だいたい途中で投げ出すよ。

不得要領(ふとくようりょう) 要領を得ないこと。要点がはっきりしないこと。また、そのさま

 

 

 

では、まずは先輩に率先垂範していただきたいと思います。お願いします。

率先垂範(そっせんすいはん) 人の先頭に立って物事を行い、模範を示すこと。「率先」は先んじる、人の先頭に立つ意。「垂範」は模範を示すこと。

 

 

 

アイツすぐ片言隻語をとらえてグチグチとうるさいんだよな~・・・

片言隻語(へんげんせきご) ほんのちょっとした言葉。片言隻句。一言半句。

 

 


ボチボチ株価も上がってきたし、一陽来復の兆しかな?

一陽来復(いちようらいふく) 悪いことが続いたあと、ようやく物事がよい方に向かうこと。

 

 


議論はしてみたものの、甲論乙駁して、全くまとまらなかったよ

甲論乙駁(こうろんおつばく) 甲が論じると乙がそれに反対するというように、
たがいにあれこれと論じ合うばかりで、議論の決着がつかないこと。

 

 


いや~・・彼が南船北馬してくれたおかげで、なんとか間に合ったよ。

南船北馬(なんせんほくば)《中国の南方は川や湖が多いので船を用い、北方には平原や山野が多いので馬に乗るというところから》絶えず旅していること。各地をせわしく旅すること。東奔西走。

 

 


もう俺の腰の痛みは薬石無効で、どうにもならんのさ

薬石無効(やくせきむこう) 薬や医者の治療がまったくもって効かないこと。
「薬石」は石の鍼(はり)治療や薬剤。「無効」は効き目が無いという意味。

 

 


アイツは意馬心猿だから、女の子は絶対近づいちゃダメだよ!

意馬心猿(いばしんえん) 煩悩 ぼんのう や情欲・妄念のために、心が混乱して落ち着かないたとえ。また、心に起こる欲望や心の乱れを押さえることができないたとえ。心が、走り回る馬や騒ぎ立てる野猿のように落ち着かない意から。

 

 私寡聞少見にして、この程度でご勘弁願いたい。さて、まだ日は落ちていないが、今日はまことに冷えるので、焼酎でも温めて早めの晩酌とするかな・・。羽化登仙の心地を味わってまいる。では、失敬。