10日間で世界一周。 アレンジコーヒー 10選

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 冬場の楽しみといえば、鍋やら熱燗やら色々あるが、私が日常的に楽しんでいるのは、コーヒーを飲む事だ。朝の一杯、昼の一杯、午後の一杯、仕事中に・・・気がつけば4~5杯は飲んでしまう。カフェインの過剰摂取になりそうで最近は一日2杯程度に自制している。かつては生豆で買って煎るところからやったり、定番のエスプレッソマシンもラ・パヴォーニの手動マシンを購入してみたりと凝るだけ凝ったが、最近はもっぱらカルディで挽いてもらったのを普通のコーヒーメーカーで入れて飲んでいる。楽しいとはいえ日常の行為なので、当然その一杯に特別な感慨などなくなっている。しかしふと考えれば、これは寂しいことだ。せっかく新しくいれた一杯なのだから、そのたびに新鮮な喜びを感じたい。どうするか・・・。発想は単純だ。アレンジすればいい。どうせなら、コーヒーで世界旅行と洒落込もう。というわけで、今回はさまざまな国のアレンジコーヒーをご紹介する。

 

 1. イタリア   カフェ・コン・パンナ

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                       深煎りコーヒー120c   ホイップクリーム 30cc   砂糖  5g  

イタリア式ウインナーコーヒー。エスプレッソを使うとエスプレッソ・コン・パンナとなる。元々は別の容器にホイップクリームを入れ、角砂糖を添えてトレイに載せて出されたが、コーヒーにホイ ップクリームを浮かべるアメリカのスタイルが一般化した。

 

             2. フランス   カフェ・ラ・オランジュ

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         深煎りコーヒー  80cc  オレンジリキュール  15cc     オレンジスライス  2枚 

カップにオレンジリキュールを入れ、そこにコーヒーを注ぐ。オレンジスライスを浮かべる。シナモンスティックを添えて。オレンジリキュールはキュラソーがマルセイユでは好まれるようだが、グランマルニエを入れるレシピもある。オレンジリキュールのほか、アイリッシュクリームを入れても美味しい。コーヒーとオレンジとシナモンの組み合わせを堪能したい。

  

                                            3.ドイツ  カフェ・フェアケアト

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                              やや深煎りコーヒー 60cc       温めた牛乳  90cc

ドイツ版カフェオレ。フェアケアトは「おかしな」「間違った」「逆」という意味で、コーヒーと牛乳の分量がまちがってるよ。というドイツ人とは思えない洒落の効いた名前。カップで注文する場合、コーヒーと牛乳の割合を自分の好みに合わせる。

 

                                4.  オーストリア カイザー・メランジュ

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              深煎りコーヒー 100cc    卵黄 1個分    グラニュー糖 10g    牛乳  30cc

上記材料を鍋に入れ、火にかける。人肌程度まで温まったら、泡だて器でよく泡立てる。70度くらいになったら火を止め、カップに注ぐ。カイザー(皇帝)が好んで飲んだと言われる。北欧ではラム酒やブランデーなどを加えることもある。沸騰させると卵黄が固まるので注意。

 

                                        5.   ベルギー   カフェ・ド・ベルジク

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            やや深煎りコーヒー  150cc     卵白  1個分     生クリーム(脂肪分45%) 20cc

            バニラアイス 30g

 卵白でメレンゲを作り、そこに生クリームを入れて軽く混ぜる。グラスにバニラアイスを入れ、温かいコーヒーを注ぎ入れる。浮いたアイスの冷たさとコーヒーの暖かさを楽しむ。口当たりがやさしく、お祭りやパーティの時によく飲まれる。あのイーペルで3年に1度行われる「猫祭り」でもかかせないドリンク。

 

 

 

                       6.アイルランド  アイリッシュ・ミスト・コーヒー

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                        コーヒー やや深煎り  150cc      アイリッシュ・ミスト  20cc

                                          砂糖  10g          ホイップクリーム  20cc 

 グラスを温め、アイリッシュミストと砂糖を入れる。そこにコーヒーを注ぎ入れ、混ざらないようにホイップクリームを浮かせる。トッピングにチェリーを添えるとかわいらしくなる。アイリッシュ・ミストは熟成したアイリッシュ・ウイスキーをベースに、10数種類のハーブエキス、アイルランドのヒースやクローバーから集めた上質なはちみつを配合したリキュール。コーヒー、クリーム、リキュールの絶妙なバランスを味わう。それぞれの微妙な分量増減はお好みで。

 

 

                                           7.    ロシア  カフェ・スラブ

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                                深煎りコーヒー  150cc   チョコレートシロップ  30cc

                バニラアイス  30g      ホイップクリーム  15g     削ったチョコレート 少々

 チョコレートシロップを入れたグラスにコーヒーを注ぎ混ぜ、ホイップクリームを浮かせる。そこにバニラアイスをのせ、削ったチョコレートをふりかける。スラブの人々が楽しむコーヒー。ベルギーのカフェ・ド・ベルジクと同じようにコーヒーの暖かさと、アイスの冷たさを楽しむ。地方によって「カフェ・ウクライナ」「カフェ・ロシアン」と名前が変わる。

 

                                  8. アメリカ  カフェ・ショコラチーノ  

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                               深煎りコーヒー  100cc    チョコレートシロップ  30cc    

                                       泡立てた牛乳  60cc          ココアの粉 少量

チョコレートシロップを入れたカップにコーヒーを注ぎ入れ、混ぜる。そこに泡立てた牛乳をたっぷり注ぎ、ココアの粉をふりかける。はちみつを加えてハニー・ショコラチーノにしてもおいしい。コーヒーの苦味とチョコやはちみつのバランスが絶妙。

 

   

                                       9.   中近東 カフェ・アラブ                        

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                          やや深煎りコーヒー  80cc  グラニュー糖  10g 

                                   シナモンの粉 少量  カルダモンの粉 少量

上の絵は伝統的な入れ方で、コーヒーの粉にシナモンの小片とカルダモンの種を入れ、湯で煮だす方法。ここでは簡単な方法を。カップにグラニュー糖を入れ、シナモンの粉、カルダモンの粉を入れそこにコーヒーを注げばいい。1口飲めば、アラブの王族の気分になれるかも。

 

 

            10. ブラジル  カフェ・ブラジレーニョ

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                               深煎りコーヒー  100cc     チョコレートシロップ  30cc
                             塩 ごく少量       牛乳  60cc      ホイップクリーム  20cc

カップにチョコレートシロップを入れ、コーヒーを注ぎ、ごく少量の塩を入れる。そこに温めた牛乳を入れ、ホイップクリームを浮かべる。コーヒーに塩を入れる習慣は、北欧、トルコ、シベリア、ハンガリー、エチオピアなど世界各国で見られる。日本にも塩を入れて飲んだ記録があるようだが、ごく少量にして雰囲気だけ楽しむくらいにしておいたほうが無難なようだ。

 

とりあえずヨーロッパと南北アメリカ、中近東と巡ってみた。一日一杯で、10日間世界一周。強行軍だが、それなりに楽しめるだろう。コーヒーは世界中に拡がり、それぞれの地域でそれぞれの風土にあった進化をして親しまれている。同じようにコーヒーを楽しんでいる遠い国の友人達の顔を思い浮かべながら、今日の一杯を楽しみたい。