デザインが重要であることを教えてくれる海外ウェブサイト 10
普段利用しているさまざまなウェブサイトは、いまだにただ情報が詰め込まれているだけで基本的にデザイン性は二の次だ。機能面から言えばこれは正解だが、日常生活にまでさまざまなデザインが入り込み、デザイン家電がお茶の間にあって当たり前となった現在、ウェブの世界もそろそろ本格的なデザインコンセプトを持ったサイトが主流になることが望まれる。せっかく洒落たスマートフォンでアクセスしても、表示されるサイトが残念ではトータルバランスが悪い。今回はネットを巡ってみて、日常的にアクセスするサイトもこのくらいのデザイン要素を持って欲しいと思わせるような、coolな海外の10サイトをご紹介する。自分のブログのデザインを変えてみたくなるだろうし、ブログ以上の自由度を求めて、思わずウェブサイトを作りたくなるだろう。
the loft
イギリス グラスゴーにあるデザイン事務所のサイト。色味を抑えたクールなトップページ右上部に伝えるべき情報のインデックスはすべて収まっている。必要な情報は次の階層に整然と並ぶ。よく整理されたフラットな収納棚のイメージだ。欲しい情報にすぐ到達できる。
フリーデザイナー sergey stanchev氏のサイト
デザイナーが個人で仕事を得るためにはWebサイトそのものがポートフォリオの役割を果たす。デザインコンセプトやセンスそのものが集約されるサイトは、まさにデザイナーのゴージャスな名刺となる。右側のポップアウトする情報ウィンドウで、各々のプロジェクトへシンプルに導く。
Sergey Stanchev Home - Sergey Stanchev
formtroopers
コペンハーゲンにあるデザイン&VFXスタジオのWeb Site
画像を多用して華やかだが、シンプルなフォントと必要最小限の
インフォメーションでデザイン全体に落ち着きを与えている。
Verbal+Visual
ニューヨークのデザイン+eコマーストータルプロデュース会社のWeb Site
フラットとフォトを組み合わせたデザインは温かみと簡潔さを両立させている。warm&simpleはWebsiteを構築する上で今後ますます重要なコンセプトになる。
DSTLD
プレミアムデニムをインターネットで販売するサイト
モノトーンのデザインにシンプルなフォトを組み合わせている。
カラーを抑える事でクールさとラグジュアリー感が増す。
industrialfacility
ロンドンにオフィスのある世界に顧客を持つデザインオフィス。
彼らが手がけた作品のシンプルな展示スペースとしての機能がメインで、
左上部にメインのインフォメーションを、左下部にコンタクト用のインフォメーションをまとめてある。極めてシンプルかつ、合理的。
Character
サンフランシスコを拠点にするデザイン会社のサイト。
美しい写真が印象的。画像で強くアピールする。訪れる側からすれば、重要なのは求めている情報であって、サイトの挙動ではない・・・という強い主張を感じる。
Rob Lutter.com
Rob Lutterという英国の冒険家&写真家の個人サイト。カメラマンらしく、画像使いのセンスがすばらしい。セルフプロモートしたい人がウェブサイトを作るなら、このクオリティを目指すべきだろう。
Rob Lutter | Creative Adventurer
Species in Pieces
絶滅の危機にある30種類の生物を
CSSによる30の部品で表示するサイト。
コンセプトの面白さと作品として完成度の高さ。
アニメーションを使うサイトの指針となる。
※このサイトを作ったBryan James の他の作品を見ることができる
Bryan James - Design & Development
一昔前に比べると最近はブログのデザインも豊富だし使用者の意識も上がってきて、「町並み」もずいぶんと整ってきた。企業のサイトなどもただ情報を列挙するだけのものは減り、自社のイメージ戦略の一貫としてウェブサイトのデザインを考えるようになってきている。それに比べ巨大なポータルサイトなどは、いまだに詰め込むだけ情報を詰め込んで、情報と情報の間を広告で埋める・・というような前時代的な状態のままだ。そのくせ、エキスパンドバナーを使った最近の広告などには、うっかりカーソルをバナーの上に置くとブワッと拡がり、得ようとしていた情報の上にかぶさってイライラさせられるという、甚だちぐはぐな状況だ。「サイトの美化」は街の美化と一緒で、まさにそのサイトを運営している人(その家に住んでいる人)の美意識一つに委ねられている。ゴミ屋敷状態のままで平気な人が住み続ければ、いつまで経っても状況は改善されないのである。
日本最初のウェブページが作られたのが1992年9月。来年で四半世紀になる。そろそろデザインに価値を見出す方に運営をしていただきたいなと思う、今日この頃だ。