たった5つのストレス解消法で日々の質を高める

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 私達は日々ストレスに晒されている。この時期なら早朝の寒い中の通勤、いきなり温度の上がる車内、殺気立った満員電車、会社に着けば上司や同僚との人間関係、仕事そのものへの苦痛・・・ほとんどの人がこの状況から逃げ出す事ができない。何もかも放り出して南の島にでも飛んでいきたい・・・。そう思ってもそれを実現できる人はほとんどいない。仕方なく酒でごまかしたり、あえて深く考えないようにする。しかし、どれだけアルコールで麻痺させようと、ジワジワとストレスは溜まっている。熟睡できない、疲れが取れない・・・この状態を放置すると、実は大変な事になるのだ。ストレスが持続する事によって、免疫細胞の働きが鈍る。ただでさえストレスで参っている所に、免疫まで弱ってしまえば、あらゆる病気になるリスクまで跳ね上がってしまう。病気にかかった状態で同じような環境に晒されれば、さらにストレスが悪化する。この負のスパイラルを止めなければ、大げさでなく命に関わる事態にすらなりかねない。今回はこの頑固なストレスを解消する効果的な方法を5つ紹介する。どれもすぐに実践可能だ。

 

 

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1.良いイメージがストレスを消す

 楽しかった旅行、壮大な眺め、スカッとする勝利の瞬間。今どんなに鬱々とした日々を送っている人でも、過去に楽しかった、うれしかったと感じる瞬間を体験しているだろう。その時の鮮烈なイメージは、失われる事無く記憶として蓄積されている。楽しかった気分を思い出して思わず笑ってしまうということは、誰でも経験しているだろう。ポジティブな感情が脳を満たすと、血圧を下げたり、免疫細胞を活性化させる効果が確認されている。古い記憶ですでにイメージが薄れているという人は、補強の為に多少創作が入ってもかまわない。重要なのはポジティブなイメージであるという点だ。また、脳は実際に目から入った情報も脳内でイメージした情報も似たような視覚処理システムを使っている。ポジティブイメージを得る為に、必ずしも写真や映像が必要というわけではないということだ。この際、そのポジティブイメージが最終的にネガティブな思い出に繋がっていない事が重要だ。昔の彼女との旅行を思い浮かべてその後の展開を思い出し、鬱な気分を悪化させたら元も子もない。

 

 

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2.好きな動物の画像や映像を見る。動物が嫌いな人は、好きな物でもいい。

 動物好きな人はわかると思うが、好きな動物の映像は全く見飽きないものだ。
YouTubeなどで動物映像などを見始めてしまうと、次から次へと見続けてきりがなくなるという経験をした事がある人もいるだろう。これも極めて効果的なリラックス方法だ。医療や老人介護などの現場でアニマルセラピーの有効性が実証されつつあるが、実際に触れる事による精神に与える好影響は強いが、映像を見るだけでも精神が安定する効果が得られる。動物が苦手な人は似たような効果を好きな物でも得られる。大好きな時計、愛用している万年筆、お気に入りの靴でもいい。自分が心から好きなものを見つめて、心を満足のスープに浸してやる。これだけでも十分なリラックス効果が得られる。

 

 

 3.ヒーリングミュージックを聴く

 精神を安定させ、心地よい気分になる機能性音楽がヒーリングミュージックだ。聴いていると自然とリラックスでき、α波がでると言われている。α波とは、脳が覚醒しつつ休んでいる時に出る脳波で、深いリラックス状態の時に出る。心地よい音楽と、自然の音がミックスしているサウンドを聴いていると、自然と心が穏やかになっていく。やさしい音に包まれて眠くなってきたらそれもいい。余計な事は考えずに眠りに身を任せてしまおう。

メンタル・デトックス

メンタル・デトックス

 

 

 

 

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4.軽く疲労を感じる程度の運動をする。

 ウォーキングや、スロージョギングなどの適度な運動は生活習慣病の予防にも効果的だが、免疫細胞の活性化という利点もある。腫瘍細胞やウイルス感染細胞を退治してくれるナチュラルキラー細胞は、適度な運動によって活性化する。しかし激しい運動をしてしまうと、逆に減退する。若干心拍数があがる程度の運動をすれば、ストレスによって動きの鈍った免疫細胞が活性化されるというわけだ。さらに運動による適度な疲れによって、あれこれ余計な事を考えずに眠りに落ちることができる。疲れているほど、眠りの深さが増す事が多く、質の高い睡眠が得られる。忙しい時間の合間に少しでも体を動かすようにするだけで、ストレスの負のスパイラルから抜け出すことができる。

 

 

 

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 5.禅のセラピー効果を利用する。

 座禅は欧米人にも人気のある一種のセラピーであり、実際に心が落ち着き、安らぎが得られるメソッドだ。これは私も日常的にやっているのだが、ストレスが解消でき、さらに禅僧のようなメンタル状態になれれば、ストレスを感じる事も少なくなる。基本的な作法はそれほど難しいものではないので、試してみる事をおすすめする。本格的な禅に取り組むとなると、座禅によっていかに「悟り」の境地に至るかを図解した十牛図を理解することが必要になったり、興味がないとかえってストレスになるので、心を落ち着けるメンタルトレーニングだと思って実践したい。

 まず服装だが、ゆったりとしたもので、原則は裸足。だが、寒い時期はそれだけでストレスになるので、セラピー禅の場合は靴下ははいてもいい。腕時計、ネクタイなど、とにかく体を締め付けているものはすべて外す。
 
さっそく坐禅を組んでみよう。

 準備として座禅用の座布団があるといい。座禅をしたくなった時にすぐ敷けて便利だ。ない場合は大きめの座布団を2枚重ね、上の一枚はお尻の下に敷くために2つ折りにする。心がリラックスするお香をたく。お香は好みがあり、どれだけ「この香りはリラックス効果があります」と言われても嫌いな香りだとストレスになってしまうので、とにかく自分が好きな香りにする。私はお線香か、茶香にしている。いい香りがするとそれだけで心が落ち着き、集中力も高まる。

 

常滑焼6-249石龍 緑灰釉桜透かし茶香炉 AM-T1205

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 合掌低頭(がっしょうていず)
合掌は、両手を胸の前で合わせ、指をまっすぐ天に向けて行う。静かに幸福感を感じながら。低頭は、首をさげるのではなく、腰から深く体を曲げる。

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 合掌低頭

隣位問訊(りんいもんじん)
自分の坐る位置に着いた時、その場所と、両隣の人に向かって合掌低頭する。
対坐問訊(たいざもんじん)
坐る向かいの人への挨拶。隣位問訊をしたら、合掌(がっしょう)のまま右回りをし、向かいに坐っている人に合掌低頭する。 

実際に座禅をやる時は隣や前に一緒に座禅をする人がいるので、その人達に対する挨拶をする。家でやる場合は省略してもかまわないが、一礼してから始めると心がすっと落ち着くので、やることをおすすめする。

 

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                 結跏趺坐

 

足の組み方(結跏趺坐(けっかふざ)・半跏趺坐(はんかふざ))

まず、坐蒲(ざふ)がおしりの中心に位置するようにして、深すぎず浅すぎず坐り、足を組む。どちらの場合も両膝とおしりの三点で上体を支えるようにする。結跏趺坐ができない場合は、片足だけ上げる半跏趺坐でいい。

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法界定印

手の組み方(法界定印・ほっかいじょういん)

右手を左の足の上におき、その上に左の手をのせて(右手の指の上に左の指が重なるように)両手の親指を自然に合わせる。この手の形を法界定印と言う。組み合わせた手は、下腹部のところにつけ、腕と胸の間をはなして楽な形にする。両手の親指はかすかに接触させ、力を入れて押しつけたり離したりしないように。


上体の姿勢

背筋をまっすぐにのばし、頭のてっぺんが天井から吊られているように顎をひく。
肩の力をぬいて。この時体をまっすぐにし、前後左右に傾かないようにする。

視線の位置

目は、「半眼」に。「半眼」とは、見開かないように力を抜き、かつ瞑らない状態。
視線はおよそ1メートル前方、約45度下方に。
目をつむると眠くなるので目は閉じないようにする。


呼吸の仕方(欠気一息・かんきいっそく)

きちんと坐禅の姿勢ができたら、静かに大きく深呼吸を数回する。その後は、ゆっくりと鼻からの呼吸にまかせる。(鼻がつまっている場合、静かに口からでもよい)

左右揺振(さゆうようしん)

上体を振り子のように左右へ、始め大きく徐々に小さく揺すりながら、左右どちらにも傾かない位置で静止し、座った姿勢(坐相(ざそう))をまっすぐ正しく落ちつかせる。


止静鐘(しじょうしょう)

実際の坐禅だと止静鐘という合図で始まる。参禅者の坐相が調ったころ、堂頭(どうちょう=禅寺の住職)が入堂して堂内を一巡し、正しい坐になっているかを点検する。これを検単(けんたん)と言う。堂頭が自分の後に巡ってきた時は合掌をし、通り過ぎた後に法界定印に戻す。この後、止静鐘(しじょうしょう)(鐘3回)が鳴る。止静鐘が鳴ったら堂内に出入りはできなくなる。

家で一人でやる場合は、心の中で止静鐘を鳴らし、合掌、法界定印に戻る。

 

坐禅の心得

さまざまな思いにとらわれない。坐禅をしている間にも、色々と思いが浮かんでは消えていくが、思いは思いのままにまかせてよい。無理に頭を空にしようとすると、空にするという事にこだわることになる。体と息を調え、ただ坐る。

一人でやるので警策(きょうさく)を受けることはない。したがって居眠りしようが、
逆立ちしようが自由になってしまう。あくまでリラックス法としての坐禅だからあまり難しく考えることはないが、一度坐禅を組んだら、しばらくは動かず考えるでも考えないでもなく、一つの姿勢で座り続ける。坐禅の1単位は一炷(いっちゅう)と言い、約40分だが、セラピー禅の場合は、リラックス効果が現れたと思ったら時間にこだわる必要はない。坐禅が終わったら、まず合掌低頭し、左右揺振をして、組んでいる足を解く。立ち上がり、対坐問訊する。

 坐禅には道場によって細かい作法が違ったりするし、あくまでセラピーとして自分の家でやる場合は対坐問訊等にこだわる必要はないが、やはり坐禅をしているという気分はリラックス効果にプラスに働くので、是非一連の所作は省略せずにやってほしい。

  

 以上、今回はストレスを解消する5つの方法を紹介した。いずれの方法も自分に合わせてよりフィットするように変更を加えることができる。と言うより、むしろ合わせて変えるべきだ。自分の体を一番よく知っている人が、最もリラックスできる事は何かを知っているのだから。